こんにちはピヨたけです。
今回はメインヒロインの一人にしてBクラスのリーダー、一之瀬帆波についてです。
1巻から登場しているヒロインで、物語当初は才色兼備で頭の切れるリーダーという印象でした。
ところが、とある理由で綾小路に恋心を抱いてからは、照れまくりで可愛らしい姿を披露してくれるようになります。
そんな一之瀬の初登場から現在までの登場シーンをまとめてみました。
優秀なリーダーがポンコツになっていく過程をご覧ください。
※ネタバレを含むので注意ください。
一之瀬帆波
©衣笠彰梧/トモセシュンサク/KADOKAWA刊/ようこそ実力至上主義の教室へ2製作委員会
誕生日:7月20日
学力:A(86)
身体能力:C(54)
機転思考力:B(70)
社会貢献性:A+(96)
総合:B(74)
一之瀬帆波はBクラスのリーダーを務めており、才色兼備、スタイル抜群、明るく誰に対してでも分け隔てなく接する、正に絵に書いたような美少女です。
正義感が強く、常にクラスメイトを守る選択をし、自分達の力を最大限発揮する戦略を取る事が多いです。
反面、不足の事態に陥った時の対応力に弱点を抱えており、その心優しき性格からライバル達に水をあけられてしまう場合も多く、リーダーとして小さくない悩みを抱えています。
1年生時から生徒会に所属しています。
入学早々に生徒会に入るべく生徒会室を訪れますが、生徒会長の堀北学は現副会長で次期生徒会長である南雲雅に一之瀬が利用されてしまうことを懸念して生徒会入りを許可しませんでした。
しかし、南雲は一之瀬に興味を持ち、自らの推薦により一之瀬を生徒会入りさせています。
一度は面接で落とされた自分を生徒会に引き入れてくれたこと、そして一之瀬と同じく入学時にBクラスだったにもかかわらず、現在はAクラスを独走する南雲に対し憧れを抱いています。
誰かを助けるのに理由がいるかい?を地で行く性格をしており、作中において「本当の善人」と評されますが、本人は善人と呼ばれることに抵抗感を見せる時があります。
成績優秀で入学したにもかかわらず、AクラスではなくBクラスに配属になったのは、どうやら過去に秘密がある模様。
当初は綾小路が実力を隠していると考え、観察するような視線を向けていたが、自身の過去が漏洩する事件をきっかけに綾小路を特別な存在として意識するようになります。
意識してからは、綾小路とうまく話せなくなったり、綾小路との関係に関して周囲に聞かれると照れたり、綾小路の気を引くために香水を付けたりと恋する乙女に。
頭の切れる才色兼備なリーダーが、綾小路が絡むと途端にポンコツ化する姿はギャップもあって可愛すぎるの一言。
素直な性格からか綾小路に対する想いは周囲にバレバレ。今後その恋心がどのように決着するのか見どころの一つです。
修学旅行で一人行方がわからなくなってしまった一之瀬。
同じグループの網倉からその事を知り、探しに行く綾小路。
無事一之瀬を発見し、網倉に携帯で一之瀬を発見した事を伝えると、綾小路と網倉が連絡先を交換していた事を気にする一之瀬。
恋人ではない綾小路が別な女子と連絡先を交換している事を気にしていることから、一之瀬は意外とヤキモチ妬きなのかも。
さらに、二人の会話から綾小路を欲しかったと受けとれる発言をしていることから独占欲も強そう。
人気者で誰かのために行動する一之瀬にも意外な一面があるようです。
【登場回】才色兼備なリーダー編
初登場(1巻)
一之瀬の初登場は1巻。
担任である茶柱に職員室に呼ばれた綾小路。
そこで出会ったBクラスの担任星乃宮。その星乃宮に用事があって訪れた一之瀬と一瞬目が合ったのが初邂逅です。
その後、Cクラスの山脇とDクラスの須藤が図書館で一触即発の空気になった際に、2人を仲裁する様に一之瀬が登場します。
喧嘩の間に割って入る度胸のあるストロベリーブロンドの美女。
一之瀬帆波の初登場シーンです。
暴力事件(2巻)
Dクラスの須藤がCクラスの生徒を殴ってしまう事件が発生。
須藤はどうやらCクラスにはめられてしまったようで、先に手を出してしまった事から処分は免れない事態。
Dクラスの面々は事件の目撃者を探すことに。
現場の状況を調べる綾小路と堀北、そこにBクラスの一之瀬が現れます。
一之瀬はDクラスの捜査に協力する事を提案、綾小路と堀北は一之瀬に対して警戒しますが、一之瀬の行動が完全な善意である事から協力を要請。
DクラスとBクラスは共に事件の真相を調査していくことになります。
一之瀬は学校のHPにある掲示板で有力な情報にはプライベートポイントを支払う事を条件に、暴力事件の情報を募りました。
情報をくれた相手にプライベートポイントを振り込む際に、綾小路は一之瀬の持つプライベートポイントを偶然見てしまい、その数字に驚愕します。
巻のクラスマックスではノリノリで相手を追い詰めていく一之瀬。
果たして暴力事件の真相とは?
無人島試験(3巻)
無人島試験の概要は、まず各クラスに試験専用のポイントを300ポイント支給。そのポイント内で無人島で1週間生活するための物資を購入する事ができます。
そして試験終了後、残ったポイントはクラスポイントに反映されるという仕組み。
綾小路と堀北は偵察のためにBクラスのベースキャンプを訪れます。
前回の暴力事件から、BクラスとDクラスは協力関係にあるためお互いに情報を共有します。
一之瀬はBクラスがポイントで購入したものを綾小路と堀北に説明。また、無人島で生活する上で自分達が考えた知恵を惜しげもなく披露してくれます。
堀北は統率の取れたBクラスを自分達の上位互換だと評し、改めてBクラスを高く評価する綾小路と堀北。
激動の無人島試験を制するのはいったいどのクラスか?
船上試験(4巻)
4巻は綾小路VS一之瀬のやりとりを見る事ができます。
といってもDクラスとBクラスは同盟関係にあるため、表立ってバチバチやりあう展開ではありませんが。
綾小路が部屋に向かうと、そこには一人で無防備に眠る一之瀬が。
目を覚ました一之瀬は綾小路にAクラスを目指しているのか?と問いかけます。
綾小路と一之瀬、二人は違うクラスなので夢を叶える事ができるのはどちらか一人。
しかし、Aクラスで卒業するにはクラス単位でAクラスを目指す方法以外にも、2000万プライベートポイントを貯めることにより個人でクラスを移動する方法があります。
その話の中で一之瀬は確信しました。綾小路が一之瀬の持つ巨額のプライベートポイントを見ていた事に。
謝る綾小路、一之瀬もそれ以上言及する事はなく、この話はここでお開きになります。
試験最終日、硬直状態を打破するために綾小路は一つの戦略を用意します。
しかし、綾小路が用意した戦略は一之瀬も同様に用意していた戦略でした。
一之瀬は結果的に優待者が軽井沢である事も軽井沢の仕草や反応から見破りますが、綾小路が導いた結果が自分達に不利益ではないこと、確証までには至らなかったことから指名は見送り、綾小路に対して深淵なる笑みを浮かべます。
綾小路も自身の策を見破った事から一之瀬の評価を改めています。
この頃の一之瀬は駆け引きができる優秀なリーダーといった印象でしたね。
そう、この頃までは。
夏休み(4.5巻)
プールに遊びに来た綾小路。そこで偶然にも一之瀬とその友達に出会う。
せっかくなので一緒に遊ぶ事になった綾小路一行と一之瀬一行。
一之瀬のスクール水着姿が眩しすぎますね。
一之瀬はラッシュガードの下に隠れた綾小路の筋肉に興味しんしん。
綾小路に運動はしていたのかと尋ねてきます。
どうやら綾小路に対して探りを入れているようです。
途中Bクラスの神崎と柴田も偶然合流。
BクラスとDクラスでバレー対決をする事に。
一之瀬の狙いは綾小路の実力を見定める事、一之瀬の探るような視線に気づいた綾小路はわざとヘマをし続け、バレー対決を終えます。
プールの帰り道にみんなでアイスを買って食べる事に、綾小路は初めて食べるアイスに歓喜。
4.5巻は夏休みの一幕といった形の内容になっています。幕間ですね。
体育祭(5巻)
体育祭は全学年を赤組と白組に2組に分けた行われる対戦方式です。
赤組がAクラスとDクラス。白組がBクラスとCクラスの内訳。
同じ白組に組み分けされたため、一之瀬はCクラスの龍園とも協力しようとしますが、龍園は取り付く島もありません。
そして開幕する体育祭。
二人三脚では綾小路×櫛田ペアと一之瀬×柴田ペアが対戦。
滞りなくプログラムが進む中、体育祭の影で暗躍するものたちが。
【登場回】一之瀬帆波の秘密編
ペーパーシャッフル(6巻)
期末試験はクラス内の誰かと2人1組のペアを作り、他クラスが作った問題を解き、その点数で競う試験です。
Aクラスは Bクラスと、CクラスはDクラスと対戦が決定。
BクラスとDクラスは合同で勉強会を実施。
勉強会が終わった後、堀北は一之瀬に質問を投げかけます。
質問の回答を聞いた堀北は一之瀬に対し、本当の善人であると評する。
その言葉を聞いた瞬間、一之瀬の瞳が初めて泳いだ事を綾小路は見逃しませんでした。
そして一之瀬は話します。
「私はそんな立派な人間じゃないよ」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ6巻
明らかな動揺を見せ、逃げ出すように立ち去る一之瀬。
綾小路は思案します。
一之瀬の見ている先には一片の曇りもないと思っていた。
だが、もしかしたらその部分をオレは勘違いしていたかもしれない。
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ6巻
どうやら一之瀬には秘密がありそうです。
期末試験を1週間前に控えたある日、1年全員のポストにある手紙が入っている事件が起こります。
その内容は
「1年Bクラス、一之瀬帆波が不正にポイントを集めている可能性がある。龍園翔」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ6巻
そこに現れた一之瀬含むBクラスの面々と龍園。
一触即発の龍園と一之瀬。
実はこの紙をポストに入れた真犯人は龍園ではなく綾小路です。
善人と評される事に抵抗を見せた一之瀬。その秘密を探るため、以前偶然目にしてしまった一之瀬が持つ巨額のプライベートポイントについて揺さぶりをかけたのです。
龍園が自分が犯人ではないと証言すれば、一之瀬が巨額のプライベートポイントを持っている事を知る人物、すなわち綾小路が疑惑を持たれるところですが、龍園が認めたので疑われる事はありませんでした。
龍園なら策に乗る。そんな絶対の自身が綾小路にはあったのでしょう。
龍園の名前を使う綾小路もヤバイですが、自分が犯人でないのに、訂正せず面白がって策に乗る龍園も龍園ですね。
綾小路と龍園、この二人のイカれ具合がすごく面白い一幕です。
この一件の翌日、一之瀬は学校側にプライベートポイントの詳細を説明し、不正ではない事を証明しています。
一之瀬の秘密はプライベートポイントではなかったという事になりますね。
結果的に一之瀬が巨額のプライベートポイントを持っているという情報が公開されてしまっただけなので、Bクラスにとってはいい迷惑になってしまいました。
さすが綾小路、やる事がえげつない。
VS龍園(7巻)
7巻の主役は龍園なので一之瀬はちょっとだけの登場。
綾小路は綾小路グループでカラオケに行った帰り道、坂柳と一之瀬が2人でいるところに遭遇します。
AクラスとBクラスのリーダーが一緒にいる事に対して綾小路グループの面々は驚きます。
果たしてこの2人の邂逅にはいったいどのような出来事があったのでしょうか。
ほんのちょっとの登場なのにしっかりと口絵が用意されているのはさすが一之瀬といったところですね。
冬休み(7.5巻)
7巻同様にちょっとだけの登場。
綾小路は佐藤・平田・軽井沢の4人でダブルデートの最中に、南雲をはじめとした生徒会の面々と遭遇します。そこには一之瀬の姿も。
どうやら南雲は堀北元生徒会長が目をかけた綾小路に対して興味を持っている様子。
南雲がいる事から一之瀬とは特に会話もなく分かれています。
一之瀬の登場はここだけですが、綾小路はケヤキモールで坂柳に遭遇した際に、7巻の時に坂柳と一之瀬が2人でいた理由を知ります。
どうやら坂柳は一之瀬の弱みを握った模様、綾小路に一之瀬を叩き潰すと宣言します。
冬休みが終われば一之瀬潰しが始まる。それを予感しながら思案する綾小路。
果たして一之瀬の秘密とは?
混合合宿(8巻)
混合合宿は全学年合同の特別試験。
男子と女子に分かれ、それぞれクラスを超えた小グループを作り、他学年のグループと合流し綜合ポイントを競います。
グループ決めで疲弊する一之瀬。
綾小路に女子は好き嫌いがハッキリしている事から、面と向かって嫌という子も多く、グループを決めるだけでもかなり苦労した様子。
綾小路が授業中にグラウンドを走る一之瀬を見かけます。
坂柳が一之瀬を潰すと息巻いていたが、表面上は今のところその様子は見受けられません。
そして綾小路は一之瀬のグループのメンバーを見るに、どのようにグループが決まったのか興味を抱きます。
一之瀬のグループは王、ひよりもいますが、問題児とされる女子も多く、Bクラスからは一之瀬だけ。どうやら一之瀬はグループ決めの際にメンバーが決まらないところに一人で入った模様です。
この辺は一之瀬らしいと言えますでしょうか。
女の子らしく恋バナで盛り上がる一之瀬グループの面々。
素直になんでも話してしまう一之瀬。
素直に話しすぎるせいか、嘘をつけない人認定されそうになるが一之瀬は否定。そして暗い影を落とす事になります。
一之瀬帆波の過去(9巻)
「一之瀬帆波は犯罪者だ」という噂が学園に蔓延する事から9巻の物語が始まります。
この9巻は一之瀬がメインの巻になります。
噂が流れた際に、一之瀬を心配する周囲から学校側に相談しようと持ちかけられますが一之瀬は応じません。噂は無視していればすぐに消えるからと。
一之瀬は以前、「プライベートポイントを不正に集めている」という紙を見た際に、学校側に不正でない事を証明しています。
もしも、噂が根も葉もない噂であれば学校側に言って対応してもらえばいいはず。しかし、一之瀬はそれをしない。それをしてしまえば隠している事実が明るみになってしまうから。
次第に噂はエスカレートし、やがて学校に来れなくなる一之瀬。寮の自室にに引きこもってしまいます。
引きこもる一之瀬に対し、クラスメイトや友人が声をかけますが一之瀬は応じません。
一之瀬が隠している秘密、それは中学時代に犯した万引きです。
母子家庭で母と妹と三人暮らしをしていた一之瀬の家は決して裕福ではありませんでした。
妹の誕生日が近づいたある日、母は過労で倒れてしまいます。妹が楽しみにしていた誕生日プレゼントも買えなくなり、母と妹の関係性は悪化。
何とか妹にプレゼントを渡したい。そう思った一之瀬は一度だけ万引きに手を染めてしまいます。
プレゼントに喜んだ妹でしたが、母は妹の付けているヘアクリップを見た時に全てを悟ります。
母と共に謝罪するも事件は大騒動となり、一之瀬が万引きをした事は学校中に知れ渡りました。
一之瀬は罪の意識から学校に行けなくなり、中3の半分を引きこもる事になりました。
成績優秀で入学したはずの一之瀬がAクラスではなく、Bクラスに配属されたのは、この事が理由とされています。
一之瀬が善人と評される事に抵抗を示すのは、自らの犯してしまった罪による罪悪感に苛まれてしまうからです。
中学を卒業すると同時にやっとの思いで逃げ出す事ができた一之瀬は、自分の事を知るものがいない場所でやり直そうと決意。
しかし隠していた秘密を坂柳に知られ、蒸し返されてしまいます。
そして自分を信頼してくれる周囲にも秘密を知られてしまう恐怖から、今また自分の殻に閉じこもってしまったのです。
そんな一之瀬を救うべく現れた綾小路。
部屋の扉の前で綾小路は…
綾小路のおかげで立ち直る事ができた一之瀬は自分の犯した過ちを仲間達の前で告白します。
過去と向かいあった一之瀬を仲間達は受け入れ、Bクラスの団結力はこれまで以上に高まりました。
坂柳が一之瀬の秘密を知ったきっかけは南雲でした。
一之瀬は生徒会入りを堀北学に断られ失意に暮れていた時、南雲に生徒会入りを許可されなかった理由に心当たりはないか問いただされ、万引きした過去を話してしまっていたのです。
かくして南雲は坂柳に一之瀬の秘密をばらし、絶望に暮れる一之瀬を自らの手で救い、自分のものにしようと画策していました。ひどいマッチポンプですね。
そんな南雲のたくらみを結果的に綾小路は阻止したことに、ここから綾小路と南雲の因縁が始まります。
巻の最後に一之瀬は引きこもっていた事で遅れてしまったバレンタインチョコを綾小路に渡そうとしますが、すんなりと渡せずあたふたしてしまいます。
ここから一之瀬は綾小路が絡むと途端にポンコツ化してしまいます。
そしてやっとのことで綾小路にチョコを渡す事に成功した後、綾小路をを見つめる瞳に変化が。
【登場回】恋する乙女はポンコツ可愛い編
クラス内投票(10巻)
クラス内での投票により退学者を選出する特別試験。
仲間達との絆を大切にする一之瀬にとって最も難しい特別試験が幕を上げます。
ある朝、登校中に綾小路を見つけた一之瀬は声をかけますが、綾小路が振り向くとおはよーのポーズのまま何故か時が止まっている一之瀬が。
綾小路から声をかけられてようやく硬直の呪縛から解き放たれますが、一之瀬から放たれた第一声が
「やあ、えーっと、今日も寒いねー」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ10巻
話す事が思い浮かばなかった時にしてしまう天気の話をしてしまいます。
どうやら、声をかけたは良いが綾小路の顔を見た瞬間全て飛んでしまったようです。
綾小路が絡むと途端にポンコツ化してしまう一之瀬。可愛い。
その後話題はクラス内投票に。しかし試験の内容が内容だけに一之瀬は少し様子がおかしい。
そこへ2年生の朝比奈が二人の前に現れます。
「今日も元気ねー。ところで2人ってクラス別々だよね?結構仲いいんだ?」
「えっと、はい。仲の良い友達です‥」
一之瀬はちょっと照れ臭そうに答えた。
「へ〜?友達ねー」
もう少し普通に言った方が誤解は生みにくいけどな。
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ10巻
朝比奈に綾小路との関係を聞かれて照れる一之瀬。綾小路が絡むと途端にポンコツ化してしまう一之瀬。やっぱり可愛いですね。
この反応で朝比奈は一之瀬の気持ちが誰に傾いているかを知ります。
どうやら朝比奈は一之瀬ではなく綾小路に話があるようで一之瀬と別れた後、朝比奈は綾小路に、一之瀬は退学者を救うため生徒会長である南雲に協力を依頼したことを話します。
一之瀬が巨額のプライベートポイントを所有していたのは、クラス全体のプライベートポイントを管理していたからです。
今回の試験のような退学者を出さなければならない時、救済できるようにプライベートポイントをクラスで貯めていたのです。
しかし、退学が取り消しになる2000万ポイントが全て溜まっていたわけではありませんでした。
その足りない分を一之瀬は南雲に相談を持ち掛けたのです。
そして南雲は足りないプライベートポイントを補填する条件として、一之瀬に自分との交際を突き付けている事を知ります。
その夜、綾小路は自分の部屋に一之瀬を呼び出します。
©衣笠彰梧/トモセシュンサク/KADOKAWA刊/ようこそ実力至上主義の教室へ製作委員会
そして南雲の名前を口にすると一之瀬は朝比奈が綾小路に伝えた事を察します。
一之瀬は交際を条件にポイントを貸すなんてバカみたいな条件を自分は飲もうとしている事を吐露。
しかしその事を綾小路が知ってしまった事により一之瀬の決意は揺らぐ。
「でも、ちょっと困っちゃったかも‥。綾小路くんと話さなかったら、もっと潔く決断出来たかもしれないから」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ10巻
まだ一之瀬本人は自覚していませんが、綾小路に特別な感情を抱きつつあるからこそ知られたくなかったでしょうね。
自らを犠牲にする覚悟を決めつつある一之瀬に対し、綾小路がとる行動は?
学年末試験(11巻)
各クラスの代表者を司令塔とし、クラス単位で種目別対決を行う学年末試験。
敗北したクラスの司令塔は退学となるため、前回のクラス内投票試験で退学を取り消す事のできるプロテクトポイントを獲得している坂柳、一之瀬、綾小路、金田が必然的に司令塔に選ばれます。
対戦相手は坂柳(Aクラス)VS綾小路(Cクラス)、一之瀬(Bクラス)VS金田(Dクラス)に決定します。
対戦相手が決まった後、綾小路と綾小路グループは何やら声を荒げている一之瀬含むBクラスの面々と遭遇。
一之瀬は綾小路グループを昼食に誘います。
その時綾小路は違和感に気が付きます。いつもなら目を合わせて話をしてくる一之瀬が視線を向けて来なかったからです。
昼食中、一之瀬はDクラスから不可解な嫌がらせを受けている事を話します。
その時、綾小路は一之瀬がシトラス系の香水をつけている事に気が付きます。
同席していた佐倉と長谷部も気が付き、女の子が香水をつけるということは何か心境の変化があったのではないかと推察。
ある朝、綾小路がバレンタインチョコのお返しをポストに投函しているところに一之瀬とバッタリ遭遇。
一之瀬は何か見ちゃいけないものを見たかのような反応をしてしまいます。
そしてやはり目を合わせようとしない一之瀬。
特別試験の情報交換をした後、別れ際に一之瀬は
「あー‥油断したぁ‥」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ11巻
と呟きます。
朝7時前のため当然香水はつけていません。
どうやら一之瀬は綾小路とまともに目すら合わせられなくなっていて、綾小路の気をひこうと香水をつけ始めた模様。
ポンコツ‥いや、完全に恋する乙女化が進んでいます。
学年末試験当日、司令塔の待機室で坂柳、一之瀬、綾小路はDクラスの司令塔である金田が到着するのを待っていました。
そこに現れたのは
「‥龍園くん?どうして‥ここに‥」
明らかな動揺が一之瀬に走っただろう。
いや、オレも坂柳もこの想定はしていなかった。
「どうした。何を動揺している」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ11巻
綾小路たちの前に現れたのはまさかの龍園。
動揺を隠せない一之瀬と不敵な笑みを浮かべる龍園。
一之瀬VS龍園、そして綾小路VS坂柳。激動の学年末試験。
果たして勝負の行方は?
春休み(11.5巻)
学年末試験で痛い敗戦を喫したBクラスと一之瀬。
一之瀬は協力関係にある堀北、綾小路に学年末試験の顛末を説明します。
その後一通り話し聞いた後にに堀北が口にしたのはBクラスとDクラスの同盟の解消でした。
Aクラスを除く3クラスはクラスポイントが詰まっており、同盟を続けるメリットが無くなっていたからです。
一之瀬は上手く関係を維持できるのではないかと説きますが、堀北の決意は固く、譲りません。
堀北は綾小路に同意を求め、綾小路もそれに応じます。
綾小路も同盟の解消に賛成であることから一之瀬も頷くしかなく、2年生からは明確な敵同士になる事が決まりました。
一之瀬と別れた綾小路でしたが、去り際の一之瀬の様子が気になっていました。
そして降りしきる雨の中、傘もささずに佇む一之瀬を見つけます。
綾小路が一之瀬に声をかけますが、雨に打たれたい気分だからと動く気配がありません。
頑なに動こうとしない一之瀬に対して、綾小路は自分も一之瀬と同様に雨に打たれます。これには一之瀬も応じるしかありません。
二人で寮まで帰りますが、ロビーに入る間際で一之瀬はまた足を止めてしまいます。一之瀬は部屋で一人だと色々考えてしまうから部屋に帰りたくないといいます。
そんな一之瀬に対し、綾小路は
「だったらオレの部屋に来るか?」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ11.5巻
話し相手が入れば、ふさぎ込むことはないだろうという綾小路の配慮ですが、沈んでいる女の子を部屋に誘う綾小路はイケメンすぎますね。
部屋に入ると綾小路は一之瀬が今思っている事を話してみたらどうだと問いかけますが、一之瀬は最初は戸惑います。
しかし、例え協力関係ではなくなってとしても一之瀬にとって綾小路は誰よりも信頼できる存在。次第に心の内を話し始めます。
そして一之瀬は自身の心境を吐露する内にどんどん不安に駆られていきます。
「私は‥この先勝てるのかな」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ11.5巻
不安に押しつぶされ震える一之瀬。
そんな一之瀬に綾小路は優しく触れ、一之瀬を落ち着かせます。
やがて震えはなくなり、見つめ合う二人。
そして綾小路は一之瀬に告げます。
「なあ一之瀬、来年の今日こうして会わないか?」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ11.5巻
それは約束。
「今、伝えようと思っている言葉を、その時に伝えることを約束する」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ11.5巻
一之瀬に笑顔が戻ります。
一之瀬帆波率いるBクラス。彼女ら、彼らの行く末がどうなるか。
悲観した材料は多くとも、まだ未来は確定していない。
だが‥もしも没落してしまうようなら、その時の「介錯」はオレがする。
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ11.5巻
一年後に再会する約束と介錯。3年生編の鍵になる言葉がこの11.5巻で登場します。
不安に駆られる一之瀬を包み込むような綾小路の行動と描写は必見です。
11.5巻は他にも物語のターニングポイントになる話が多いため、非常に重要な巻になっています。
ペア試験(2年生編1巻)
2年生編最初の特別試験は2年生と1年生で一人ずつペアを作り、試験の点数で競うペア試験。
坂柳と龍園がプライベートポイントで学力の高い、1年生を引き抜く作戦。
対して一之瀬は1年生全体に呼びかけ、学力の低い1年生も救済していこうという作戦。
対してDクラスはどういった戦略をとるのか?
余談ですが、幕間の.5巻を除けば、一之瀬は必ず口絵か挿絵がありましたが、この2年生編1巻ではどちらもありません。
一之瀬の挿絵がないだけで珍しく感じるという事は、これまでどれだけ絵が多かったかということになりますね。
無人島試験(2年生編2巻)
ゴールデンウィーク前、綾小路はケヤキモールで綾小路グループを待っている間に一之瀬と神崎に遭遇します。
ペア試験の数学で満点を取った綾小路。春休みでCクラスとDクラスは同盟を解消している事から、実力を隠し、底が知れない綾小路に対して神崎は明確な敵意を向けます。
それをよしとしない一之瀬は、綾小路は敵じゃないと神崎に説くが、神崎は納得しません。
神崎と別れ、残された一之瀬は
「私は間違ってるかな‥?」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編1巻
甘さを捨てなければならない。それが理解できない一之瀬ではいですが、それでも自分を貫き通すのは間違っているのか。と。
綾小路は答えます。それは春休みに二人で会った時に話した事、どこまでもクラスメイトと突き進むという事を思い出させるように。
無人島試験のグループ作りが解禁されてから一之瀬は坂柳の呼びかけに応じて話し合いの場に姿を表します。
話し合いの内容は坂柳クラスと一之瀬クラスが手を組んで無人島試験に臨むというもの。
Cクラスに落ちて後がない一之瀬とAクラス以外が同盟を組んでAクラスに牙を向いてくる事を防ぎたい坂柳。
二人の利害が一致しAクラスとCクラスの同盟が結ばれ、一之瀬と坂柳は協力して無人島試験に臨む事になります。
無人島試験(2年生編3巻)
無人島試験では、基本的に綾小路視点で物語が進んでいくため、グループの違う一之瀬の登場は非常に少ないです。
綾小路は道中でBクラスの浜口・安藤・南方に誘われ一緒に食事をすることに。どうして自分に声をかけたのか綾小路が気になっていたら、三人の口から飛び出したのは、綾小路と一之瀬はどこまで進展したのか?ということでした。
どうやらここ最近一之瀬の口から綾小路の名前がよくでるらしい。
綾小路が絡むと途端にポンコツ化してしまう一之瀬。どうやらその淡い恋心は周りにバレバレな模様。
そんな一之瀬が巻の最後、悪意に巻き込まれてしまいます。
腕時計が壊れてしまった一之瀬は、取り替えるためにスタート地点に一人戻ります。
その途中で月城理事長と司馬が話しをしているところを目撃します。
そこで一之瀬は聞いてしまいます。
綾小路が最終日まで残っていたらI2で葬り去るという言葉を。
聞き耳を立てていた一之瀬に月城は気が付き、一之瀬は逃げようとするも捕えられてしまいます。
そして、聞いた事を誰かに話せばクラスメイトを退学させると脅されて解放されます。
悪意の無人島試験はクライマックスへ。
無人島試験(4巻)
綾小路が最終日まで残っていたらI2で葬り去る。
無人島試験最終日、I2に向かう途中の綾小路の前に一之瀬が現れます。
クラスメイトを人質に取られても、綾小路に月城たちの事を伝える事を決めた一之瀬は朝から綾小路を追いかけてきたのです。
最終日に朝から無理をした事もあり、満身創痍で綾小路の元に辿り着く一之瀬、倒れそうになる一之瀬を綾小路が抱きとめると、一之瀬は月城たちが話していた事、クラスメイトを人質に取られた事を綾小路に話します。
「このこと綾小路くんに話したら‥クラスメイトを退学にするって‥だけど、だけどどうしても綾小路くんのこと、放っておけなかったの」
「気にせず見捨てるべきだ。オレはお前の敵なんだからな」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編4巻
これまで綾小路は、クラスの違う自分は一之瀬の敵なんだと何度も伝えてきました。
その度に一之瀬は否定してきました。綾小路くんは敵じゃないと。
それは何故か?その答えがとうとう一之瀬の口から放たれる事に。
©衣笠彰梧/トモセシュンサク/KADOKAWA刊/ようこそ実力至上主義の教室へ2製作委員会
「私は、私は、綾小路くんのことが、好きだからっ‥」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編4巻
ついに言ってしまった一之瀬。
綾小路が絡むと途端にポンコツ化してしまう一之瀬は当然パニックになってしまいます。
綾小路が危険を顧みずに自分に伝えにきてくれた事に礼を言った後、さっきの告白は本当なのか?と確認します。
またしてもパニックになる一之瀬でしたが、最後は
「‥好き‥です‥」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編4巻
と、消えてしまいそうな声で認めます。
この一連のやり取りは一之瀬が本当に可愛いです。正しくポンコツ化の集大成といった感じですね。
その後、綾小路は一之瀬に感謝しつつも、I2に向かいます。
全ての決着をつけるために。
【登場回】失意…編
船上(4.5巻)
無人島試験も終わり、船上でバカンスを楽しむ学生たち。
一之瀬は最終日に勝手な行動をとってしまった事を坂柳に謝罪します。
坂柳は一之瀬のとった行動を咎めませんが、一つ警告をしています。
「あなたを見ていれば、綾小路くんに対する想いが他の生徒に向けるものと異なっていることも何となく察する事ができます」
「え、ええっ!?い、いやあの、その、そんなこと‥」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編4.5巻
綾小路が絡むと途端にポンコツ化してしまう一之瀬は当然あたふたしてしまいます。
坂柳は綾小路に傾倒し過ぎると、痛いしっぺ返しを食らうかも知れないと一之瀬に警告しますが、今はまだ一之瀬はそれがどういう意味なのかはわかりませんでした。
告白の返事をするために綾小路と一之瀬は二人で落ち合います。
綾小路が一之瀬に返事を返そうとしたその時、来訪者が現れます。
「こんなところで帆波と2人で落ち合って何の話をしてるんだ?」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編4.5巻
そこに現れたのは南雲生徒会長でした。
南雲は一之瀬に対して綾小路は軽井沢と付き合っている事を暴露します。
一之瀬が綾小路に本当なのか問いかけると、綾小路は南雲に対して答えます。
「表向きは誰にも話していなかったんですが、一体どこでその情報を?」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編4.5巻
綾小路が認めたことで一之瀬はショックを受けます。
2人の邪魔をし、嬉しそうな笑みを浮かべる南雲。
南雲は綾小路が勝負を受けない限り、執拗な嫌がらせを続けるつもりのようです。
南雲が去った後、一之瀬は自分が告白した事は忘れて欲しいと涙を浮かべながら走り去っていきます。
南雲にヘイトが向くところですが、この一連の流れには不可解な点が多いです。
これは綾小路がわざと南雲を介入させた可能性があるからです。
こちらで詳しく考察してますのでよかったら見てみてください↓↓↓
ということで綾小路に恋人がいることを知ってしまった一之瀬なのですが、結果的に綾小路は一之瀬に対して、まだ何も伝えていない事になります。
この先どうなるのでしょうか?
満場一致試験(2年生編5巻)
満場一致試験の最後の課題。
クラスメイトが1人退学になる代わりに、クラスポイント100を得るというもの。
1人賛成に投票し続ける神崎。
神崎は何の迷いもなくクラスポイントを捨ててもいいのか?と訴え続けます。
神崎の訴えに対して一之瀬が取る行動とは?
綾小路とは船上の一件以来、距離をとってしまっているため、必然的に一之瀬の登場機会がこの巻から減ってしまうことになります。
体育祭(2年生編6巻)
堀北から南雲が会いたがっていると伝えられ生徒会室に向かう綾小路。
南雲は体育祭で綾小路と勝負をするために呼びつけました。
そこに一之瀬が弁当の入ったビニール袋を持って現れます。
綾小路を見た瞬間驚く一之瀬。しかし声をかけることは出来ず、南雲の隣に座ります。
結局、一之瀬とは一度も言葉を交わすことはなく、綾小路は弁当を食べると生徒会室を後にします。
綾小路を完全に避けている一之瀬。そして南雲との間にもただならぬ空気が流れます。
少々心配な一之瀬です。
文化祭(2年生編7巻)
綾小路が体育館に3-Aの催し物を偵察に来た際に、一之瀬・神崎とバッタリ遭遇。
そして綾小路の顔を見るや、用事を思い出したと立ち去ってしまう一之瀬。
船上以来、ここまで綾小路と一度たりともまともな会話をしてません。
綾小路を避けてる姿がかなり痛々しいです。
一之瀬の登場はここだけですが、この巻では一之瀬の知らないところで一之瀬を巡りやり取りが行われます。
それは綾小路VS南雲の対決が決まった事。そしてその対決に一之瀬が深く関りそうな事。
隣に一之瀬を置き観察している南雲、一之瀬の悩みについても相談を受けていることから、2人の関係性が変化していても全くおかしくありません。
そして綾小路はそれを利用して対決する案を南雲に提案し、南雲はそれを承諾しています。
一之瀬に不穏な空気が流れている事は間違いないですね。いったいどういう展開になるのか気になります。
修学旅行(2年生編8巻)
一之瀬とまともに会話するのは2年生編4.5巻の船上以来、その時とは状況が一変し、一之瀬はかなり危険な状況になってしまっています。
「私のやり方じゃ‥もう、どのクラスにも勝てない。そんなことを考えてた」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻
意図せずに涙を流す一之瀬。もがいても結果が出ない現状からとうとう心が折れそうになってしまいます。
「もし私が坂柳さんのようにクラスメイトを指揮できたら。龍園くんのように力強く引っ張ることができたら。堀北さんのように連携することができたら‥そんな風に考えずにはいられないの」
「それは無い物ねだりだ。自分は自分でしかない、他人の誰かになることは出来ない」
「無い物ねだり。うん、そうだね。私は今‥そんな手に入らないものが欲しい」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻
一之瀬の言う手に入らないものが欲しい。これは坂柳、龍園、堀北の持つリーダーとしての資質について言っていますが、この言葉には実は綾小路も含まれているのではないかと思います。綾小路には恋人がいる。自分は隣には立てない、それは無い物ねだりだと。
そして悔しいという言葉は、自分の無力さと、想いは届かないという事実から出た言葉。
だからこそ一之瀬は綾小路に謝るしかなかった、自分の想いは綾小路を困らせるだけだからと。
それを綾小路はわかっていたからこそ、一之瀬を抱き寄せて伝えたのではないでしょうか?
「おまえには欲しいものがあるんじゃないのか?」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻
その綾小路の言葉の意図に一之瀬も気が付きます。
「‥ダメ。私が欲しかったものは、もう‥」
「手に入らなくなってしまった──か?」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻
僅かに頷く一之瀬。そして綾小路は伝えます。
「そんなものはどうにでもなる。と、オレはそう思うけどな」
「だって──」
「踏み出す一歩に勇気が持てないのなら手を貸すことも出来る」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻
それはいけないことだとわかっている。でもそんなことはどうにでもなる。そう言って抱きしめる綾小路に、そっと身を委ねる一之瀬がただ儚いです。
覚醒?それとも─編
冬休み前(2年生編9巻)
2年生編9巻は久々の一之瀬メイン巻といった内容になっています。そういえば9巻も一之瀬メインだったので面白いですね。
一之瀬が生徒会を辞める理由を聞きだして欲しいと神崎達に頼まれた綾小路は休日に一之瀬と会う約束をします。
©衣笠彰梧/トモセシュンサク/KADOKAWA刊/ようこそ実力至上主義の教室へ2製作委員会
二人はジムへ向かい、そこで偶然会った網倉と一之瀬がルームランナーで汗を流します。
その後網倉と別れた綾小路と一之瀬はカフェに訪れ、そこで綾小路は一之瀬が生徒会を辞めた理由を聞きだします。どうやら一之瀬は強い決意を持って生徒会を辞めたようです。
鬼龍院万引き事件を捜査していた日の帰り、綾小路が寮に戻ると部屋の前に一之瀬が立っていました。
一之瀬はどうしても綾小路に伝えたい事があって部屋の前で待っていたのです。
そして一之瀬の伝えたい事とは
「私は、やっぱり綾小路くんが好き」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編9巻
一之瀬は綾小路に対する想いを再確認。
「この先は違うよ。私は綾小路くんに振り向いてもらえるような人間になるつもり」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編9巻
そう決意して部屋を出ていく一之瀬。これまでの一之瀬とは違い、どこか吹っ切れたような一之瀬が印象的。
特別試験が終わった後、坂柳に呼び出される綾小路と一之瀬。そこで坂柳が一之瀬に対して発したのは
「今すぐ綾小路くんから距離をおくべきです」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編9巻
坂柳は一之瀬は綾小路にコントロールされていると伝え、このまま行けばいずれその身を滅ぼすと警告します。
それを聞いた一之瀬は
「心配いらないよ坂柳さん。私は綾小路くんにコントロールなんてされていない」
こんなにも冷たい瞳ができるんだな。
そう思えるほどに、見たことのない顔をした一之瀬がオレの隣に立っていた。
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編9巻
あのお人好しだった一之瀬の信じられないほどの冷たい瞳。いったい彼女に何が起きたのでしょう?
その表情を見た坂柳は一瞬だけ同様し、一之瀬の評価を改めることになりました。
終業式を終えた日、未だ綾小路と仲直りできていない軽井沢の前に一之瀬が現れます。
そして軽井沢と一緒にいた佐藤から綾小路とは何もないのか?と問いかけられる一之瀬。
綾小路とは何もないと答える一之瀬に軽井沢と佐藤は安心してその場から離れていきます。
しかし、一之瀬は二人の背中を見送りながら
「安心して軽井沢さん。本当だよ、綾小路くんとは今はまだ何もない」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編9巻
軽井沢たちの背中に聞こえない小さな声。
そう呟いた一之瀬はさらに続ける。
「今はまだ、ね─」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編9巻
冬休みの初日。龍園に呼び出された一之瀬。
特別試験で敗北した龍園は、その理由を探ろうと一之瀬を呼び出しました。
会話の中で龍園は一之瀬にプレッシャーをかけますが、何食わぬ顔で涼しく受け流す一之瀬。
そんな一之瀬にこれまでと違う何かを感じる龍園。微笑む一之瀬に龍園は
龍園の傘を持つ手、それから全身へと気持ち悪い何かがまとわりつく。
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編9巻
一之瀬との別れ際に龍園は
「前言撤回するぜ一之瀬」
一之瀬の背中に向けて龍園は振り返りながら話しかける。
「学年末試験でおまえと当たらないことが、俺たちにとって幸運となるかもな」
それは一つの予感。
一瞬だけでも、坂柳よりも厄介だと思わせたその気配に敬意を表した言葉だった。
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編9巻
坂柳と龍園を一瞬だけでも戦慄させる一之瀬の変化が印象的でした。
冬休み(2年生編9.5巻)
25日、綾小路の元に一之瀬から連絡が届く。
「大変な時に何だけど‥今日ってケヤキモールに出かける予定はある?」
「どうかな‥まあ、後で外に出ようかとは思っていたが。何か話があるのなら時間を決めてケヤキモールに向かおうか?」
「それはダメ。屁理屈に聞こえるかもしれないけど、待ち合わせでも約束でもない。ただ綾小路くんがケヤキモールに今日来るのかどうかそれが知りたかっただけだから」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編9.5巻
待ち合わせをしようか?という綾小路の提案を断り、何やら意味深な事を言う一之瀬。
結局約束はせず、綾小路はケヤキモールに向かう事に。
ケヤキモールで用事を終えた綾小路がモールの入口に向かうと、設置されたクリスマスツリーの前に一之瀬の姿が。
「偶然、だね。綾小路くん」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編9.5巻
偶然?綾小路に会えたという一之瀬。
「ねえ綾小路くん。私と写真を撮ってくれないかな」
そう言い、一之瀬は少しだけ恥ずかしそうにしながら携帯を取り出した。
「想い出のために、今日は色んな子とここで写真を撮ってたんだ」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編9.5巻
つまり一之瀬は綾小路と偶然会うために、入口のクリスマスツリーの前で、声をかけてくる生徒達と写真を撮っていたのです。全ては綾小路と二人きりの写真を撮るのが不自然に成らないため。
正に木を隠すなら森の中というわけですね。
二人だけの写真を撮った後、話題は綾小路が昨日遭遇した白波の話に。
「今はまだ私のことを一番に気にかけてくれてるけど、深入りしちゃダメだからね?あの子は流されやすいところがあるから」
白波との距離を今以上に詰めるなという警告。
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編9.5巻
遠回しにこれ以上綾小路に惚れる相手を増やすな!と受け取る事ができますね。
2年生編9巻で綾小路が渡辺から依頼を受け、一之瀬に網倉の好きな人を尋ねた時も一之瀬の雰囲気が一気に変わりましたが、これはもうかなり嫉妬深そうです。
生存と脱落の特別試験(2年生編10巻)
綾小路の部屋で神崎や渡辺らとの会合がお開きになった後、携帯を綾小路の部屋に忘れたという理由で一人戻ってきた一之瀬。
一之瀬は綾小路と二人きりになるため、神崎に綾小路に連絡してもらい、この状況を作りました。
そして綾小路に抱きつき、
「これは事故だよ‥躓いて、転びそうになったのを助けてもらっただけ‥だよね?」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編10巻
あくまでも事故だと言い張る一之瀬。
そこに綾小路に相談するために戻ってきた渡辺に密着している姿を見られてしまいます。
一之瀬は最初こそ驚きましたが、その後は冷静に対処し、逆に渡辺を自身の味方に引き入れる知略を見せます。
だんだん綾小路に対する行動に歯止めが効かなくなってきた一之瀬。その後始まった特別試験。
坂柳を最下位にしたい龍園と共闘。そして執拗に軽井沢を狙い撃ち。軽井沢はそんな一之瀬の攻撃に恐怖を感じますが、これは一之瀬の策、堀北がプロテクトしやすいようにするために軽井沢を指名し続けたのです。
ところが一之瀬は一度、軽井沢を指名し続ける事をやめようと思案。それは一度攻撃の対象から外す事で堀北は軽井沢のプロテクトを守る。結果、脱落者となり退学になる可能性が出てくる。
「ダメ‥それは悪い手‥」
今は個人的な感情ではなくクラスのために行動すべきだと自らに言い聞かせる。
綾小路は自分を拒まない。軽井沢との関係を続けていても受け入れてくれる。
なら、同時に進行して全てを自分で上書きしてしまう方法だってあるのだ。
自分が最低な人間だと思い知らされながらも、それで構わないと考えてしまっている。
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編10巻
軽井沢を退学に追い込む事を思案しながらも、踏みとどまる一之瀬。
綾小路の事になるとポンコツだったあの一之瀬がここまで変わるとは。今の一之瀬にはある種の狂気を感じますね。
まとめ
初期は優秀なリーダーという印象でしたが、綾小路に惚れてしまったあたりから、綾小路が絡むとポンコツ化、そして恋する乙女になっていった一之瀬帆波。
また、ちょうどそのあたりからクラスでの悩みを抱え、ふさぎ込む事も多く、その都度綾小路を支えにしてきましたが、綾小路に恋人がいることを知り、その支えすらも失いました。
最近の巻では綾小路と距離を置いてしまっているためポンコツが見られないのが非常に残念でもあります。
現状最も綾小路とフラグが立っているヒロインではありますが、最近ちょっと危険な雰囲気を漂わせているのが気になるところ。
1年生の終盤から現在まで何かと不遇な一之瀬、なんとか幸せになってもらいたいところですけどね。
ここまでみてくださってありがとうございました。それではまた。
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