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【よう実】一之瀬の告白の返事にわざと南雲を介入させた?結果と感想

一之瀬の告白の返事にわざと南雲を介入させた?(アイキャッチ) よう実
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こんにちはピヨたけです。

2年生編7巻で珍しく綾小路から喧嘩を売る形で南雲との対決が成立しています。

徹底的に相手にしなかった南雲に対して綾小路にいったいどんな心境の変化があったのか?

また、勝負の方法などについて予想してみました。

2024/4/16追記 2年生編11巻で南雲との因縁に終止符が打たれました。そこで結果と感想について追記いたします。

なお、ネタバレを含みますので注意してください

対決に至るまでの経緯

まずは伏線と思われる事象から今回の対決に至る経緯を考察してみようと思います。

もし南雲の一之瀬への執着がオレに起因するものであるなら、むしろ最後の最後で一之瀬を切り捨ててしまうことも十分にある。身も心も尽くした上で生徒会長になれず、貢献度の低い堀北を推薦されるようなことになれば、その精神は1年間持たずに潰れてしまう。

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編6巻

南雲が一之瀬を自分の隣に座らせ、綾小路に対して優位性を示していると思われた時に綾小路が思案したこと。

南雲の一之瀬に対する行動で最悪のケースを想定しています。

オレに対し奇妙な復讐を計画し実行しているのも、負けた、あるいは劣っている、劣等感のようなものではなく、ただ表舞台に引きずりだすことに意識を向けている。

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編7巻

奇妙な復讐とは船上で一之瀬の告白に対し答えようとした時と、二年生編6巻の生徒会室の一件、南雲が一之瀬を自分の側に置いて綾小路に優位性を示したこと。

ただ表舞台に引きずり出すことに意識を向けているの描写が南雲の一之瀬への執着が綾小路に起因するものであることを示しています。

この文化祭で間接的に伝わってくる南雲の様子が露骨に変わった。

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編7巻

これは南雲が本格的に綾小路に対して仕掛けてくることを示しています。

去年までのオレだったなら、南雲の行動をこのまま見守っただろう。

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編7巻

去年はまだ一之瀬の「罪」が発覚する前です。まだ綾小路と一之瀬のつながりが薄かった時のことではないかと。

「既に南雲生徒会長にも状況は見えているはずです。日々傍で彼女のことは観察していますよね。だったら詳細を把握していないはずがない」

「なるほどな。俺はあの時おまえに揺さぶりをかけるつもりだったが、動揺するどころか逆に利用しようってのか」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編7巻

彼女とは一之瀬のこと。南雲の言うあの時とは船上で綾小路と一之瀬の間に南雲が介入した時のことです。

「けどな、本当にいいんだな?おまえの提案の通りにするってことは どう転んでも周囲の人間が痛手を負う」

「もちろんです。どちらにしても南雲生徒会長は関与したでしょうから」

「‥おまえ‥」

「分かっていたのか」

「距離はあっても南雲生徒会長のことは観察して来ましたからね。この後どうするかの見当はついていました」

「軽井沢だけでなく帆波のことについても例外じゃないってことか」

「言ったように誰であっても同じですよ。恵を退学させようと一之瀬を弄ぼうと、堀北や外の誰かであったとしても。それでオレを動かせるとは思わない方が賢明です」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編7巻

これはつまり、綾小路が勝負を持ちかけなかったとしても南雲が一之瀬を懐柔し、何らかの形で特別試験に介入したであろう事を綾小路が指摘しています。

これらのことから綾小路が南雲に勝負を挑んだ経緯が見えてきます。

綾小路が南雲を無視し続けた場合、南雲は綾小路を引っ張り出すために一之瀬に手を出す事は間違いなかった。

南雲は一之瀬を手に入れたいがために近づいているわけじゃない、あくまでも綾小路への執着により一之瀬を利用しようとしている。

そうなると最悪の場合、一之瀬の精神が潰れてしまうかもしれない。

そして文化祭で南雲の様子が露骨に変わった。

これ以上南雲を野放しにするのは危険、そこで綾小路は南雲との決着をつけにきたと解釈できます。

「去年までのオレなら南雲の行動をこのまま見守っただろう」を好意的にとるなら、去年はまだ一之瀬との約束をする前、だから一之瀬がどうなろうと行動をおこす理由はない。しかし今は一之瀬との約束がある、まだ一之瀬を壊させるわけにはいかないと判断したのではないかと考えられます。あくまでも好意的に考えるならです。何しろ綾小路なので。

なお、綾小路は一之瀬を弄ぼうとオレを動かす事はできないと言っていますが、これは南雲に対する牽制だと思います。そんな事をしても無駄だと南雲に思わせることです。

なぜなら今回の南雲との勝負に一之瀬が深く関わる事が予想できるからです。

勝敗は一之瀬の心?

南雲は一之瀬を側に置いて日々観察しています。よって当然の事ながら一之瀬の綾小路に対する想いには気づいています。

船上で南雲が綾小路と一之瀬の間に介入したのは綾小路に揺さぶりをかけるためでした。

その結果一之瀬は綾小路に恋人がいる事を南雲の口から知ることになり、酷く動揺し綾小路を避けるようになりました。

しかしこの船上の一件は不自然な点があります。

無人島での一之瀬の告白に対し綾小路が返事をしようとしたところで南雲が介入してきます。が、綾小路が声が届く範囲まで近づいた南雲に気づかないわけがありません。

そもそも、綾小路は南雲の謀略で3年生全員からどこで何をしているかマークされている状況を桐山から聞いています。にもかかわらず一之瀬と外で待ち合わせをしています。誰に見られてるかわからない危険な状況であれば部屋で待ち合わせをするはずです。しかし外で待ち合わせをした。当然それを見た3年生の誰かから南雲に連絡が行くことは明白です。

さらに綾小路は一之瀬と会うと本題に入る前に雑談から始めています。そして次の会話の流れから一之瀬の告白に対して返事をしようとします。

「もう少し強気に出ることも大切かもな。反則や裏工作をしろってことじゃないが、ラフプレーに強くなることは重要だと思う」

「ラフプレー‥か。そうだね。もっとしっかりしないと戦っていけないよね」

今はまだ何か具体的な解決策を思いついてるわけじゃない。

一寸先の闇に向かって懸命に突き進もうとしていることだけは痛いほど伝わってくる。

「先日の無人島試験。その返事のことなんだが‥」

「う、うん‥そうだったね、その話のためにここに集まったんだもんね」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編4.5

この会話の流れから思うこと、雑談から本題に入る瞬間が唐突です。全く脈絡のない思考から本題に入ろうとしています。

まるで待っていた何かが到着するのにあわせたかのように。

オレはそっと一之瀬の耳元に顔を寄せ、周囲に誰もいないことを分かっていながら意識を集中させなければ聞き取ることが難しい声で話そうとした。その時だった

「こんなところで帆波と落ち合って何の話をしてるんだ?」

声の主である生徒会長に驚いた一之瀬が慌てて距離を取るが、ほぼゼロ距離だった場面は間違いなく見られただろう。

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編4.5

何故二人しかいないにもかかわらずほぼゼロ距離で話そうとしたのか?他に誰もいないのであればそこまで近づく必要はない。

そもそも耳元まで近づいて話さなければならない内容なのであればやはり外ではなく部屋でしょう。

まるでこれが密会だと思わせているかのようです。

極め付けは一之瀬と会う前にプールで桐山と話した時のことです。

「仮にオレが会うと言って、それで終わる話とも思えませんけどね」

「ならどうすればいい。俺に詳細は話さない、だが南雲に会う気もない。それでは状況は悪化して行く一方だ」

「少し時間をもらえませんか。必ず近いうちに答えを出します」

恐らくオレからでなく南雲から桐山の耳に続報が届くことになる。

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編4.5

これは近いうちに南雲が綾小路に関して何らかの情報を得るだろうという事を綾小路は示唆しています。

以上の事から、綾小路は一之瀬と会うことによって、そのタイミングで間違いなく南雲が現れると読んでいた。

ということは綾小路はわざと南雲を介入させたのです。

唯一、綾小路の予定外だったのは南雲が軽井沢との関係を知っていたことです。

これはカフェで軽井沢と佐藤との会話を3年生の女子が聞き耳を立てたことによって南雲に漏洩したことです。

桐山が綾小路と軽井沢が一緒にいるのを見ている事から、軽井沢もマークされていたということでしょう。

しかし綾小路は去って行く一之瀬を見送ったあと、少し予定とは違ったが、目指す道に変わりはないと描写しています。

南雲から軽井沢との関係を告げられた事を除けばこの船上の三人の一件は綾小路の想定通りだったと言えるでしょう。

そして南雲のこの言葉

「なるほどな。俺はあの時おまえに揺さぶりをかけるつもりだったが、動揺するどころか逆に利用しようってのか」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編7巻

そしてこの状況を利用する。一之瀬の綾小路に対する想いを利用して勝負をするというように解釈することができます。もしも綾小路が船上でわざと南雲を介入させたならその時から南雲とこのような対決を想定していたことになります。

これがいったい何を意味するのでしょうか?

勝負の表向きは南雲が一之瀬の綾小路に対する想いを断ち切り、一之瀬の心を南雲に向けさせることができるか?というものになると予想。

初めから南雲が一之瀬に手を出す事は分かっていた。ならばあえて一之瀬の心を勝負の条件にすることにより、綾小路への執着から起こそうとしていた憎悪の行動を勝敗の鍵にすげ替えた。

南雲が「軽井沢だけでなく帆波の事についても例外じゃないってことか」と言ったのは自分が一之瀬に対して行動を起こす事を綾小路は分かっていたにもかかわらず、それを止めるでもなく勝負に利用したからです。

南雲は一之瀬に手を出せば綾小路に動揺を与えられると思っていましたからね。

だから綾小路はあえて口にした。そんな事をしても無駄だと。

南雲は本当に無駄かどうか綾小路の去り際に最後の確認をしています。

「おまえが徹底したポーカーフェイスなのは認める。俺を引きずり出すために強気の交渉をしたことも分かってやる。だから一度だけ本心を聞かせろ。本気で軽井沢の退学に乗り出したとしても、おまえは傍観していたのか?」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編7巻

その問いに対して綾小路が答えます。

「消えたら消えたでそれまでの存在。それ以上でもそれ以下でもありません。むしろ後始末が楽になって助かりますよ」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編7巻

さすが綾小路。鬼です。

こうなると南雲の器量が問われます。綾小路に対して無駄だとわかった事を果たして行うでしょうか?

一之瀬が綾小路に嫌がらせをするための道具から勝敗の鍵になったため、本気で自分に振り向かせようとするはずです。

しかし自分に対して向けられている好意を勝負に利用する。

さすがは綾小路と言ったところですね。一之瀬を利用しているところは南雲と何ら変わりません。

対決の方法は?

さて気になる対決の方法ですが、これは特別試験が関わってくると予想します。

一之瀬のクラスは現在Dクラスに甘んじており、かなり危機的状況にあります。

一年生編11.5巻で一之瀬が綾小路に対して不安を打ち明けた通りの展開になってしまっています。

このことからも一之瀬の現在の心境は相当辛いものになっているはず。

それは一之瀬を傍で観察している南雲もよく分かっています。

そこで綾小路が考えたプランは今度の特別試験で一之瀬クラスに南雲を介入させ、有利な展開に持ち込ませるというもの。

通常であれば南雲が提案しても一之瀬が素直に受け入れるような話ではありませんが、クラスが危機的状況に陥っていることと、綾小路という心の支えを失っていることから、南雲が一之瀬の心の隙に入り込み信頼関係を築ければ可能かもしれません。

もしくは直接的ではなく、間接的に南雲が支援するだけでもいいかもしれない。

綾小路はわざと堀北クラスが敗退濃厚になる状況を作り出します。

現在の力関係的には

綾小路>>南雲>手を抜いた綾小路>堀北=一之瀬

だと思っているので、もしかしたら綾小路がわざわざ動かなくても南雲が一之瀬クラスを間接的に支援するだけで、有利な展開に持ち込めるかもしれません。

単純に二年生の特別試験の結果が勝敗の条件だと、介入できることの少ない南雲の方が不利です。

これは堀北学との勝負に固執した南雲が誰よりも分かっていることです。

なので勝敗の結果は特別試験の結果ではないところに委ねられるはずです。

南雲の支援により一之瀬クラスが勝利目前に迫った時、南雲が一之瀬に伝えます。

自分と綾小路はこの特別試験で勝負している。一之瀬クラスが勝利すれば自分の勝利、そして綾小路は退学する。と

そして最後の勝敗の選択を一之瀬に委ねます

一之瀬はここで究極の選択を迫られる事になります。

このまま自分のクラスが勝利すればAクラスへ向けて希望を残すことができる。しかしそれは綾小路の退学を意味する

綾小路を退学させない道を選べば、クラスはさらなる苦境に立たされてしまう。ここで綾小路を助ける事はすなわち仲間達への裏切りと捉えかねられない。

この状況で一之瀬はどのような選択をするのか?

このような展開を予想するに至ったのは2年生編7巻の南雲の言葉です。

「けどな、本当にいいんだな?おまえの提案の通りにするってことは どう転んでも周囲の人間が痛手を負う」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編7巻

南雲は綾小路の提案を聞いた際に、どのような結果になっても周囲の人間が痛手を負うと言っています。

もしも一之瀬が綾小路への想いを断ち切り、一之瀬クラスが勝利すれば南雲の勝利となり、綾小路は退学。特別試験も敗北し綾小路を失う堀北クラスは大きすぎる痛手を負う事になります。

一之瀬が綾小路を助ける道を選択すれば綾小路の勝利。勝利は目前に迫っていたのに一之瀬の不可解な判断で一之瀬クラスは敗北することになります。ただでさえAクラスへの道は険しいこの状況でこの判断は一之瀬の裏切りと捉えられかねない一之瀬と仲間達の間に大きな亀裂が生じる事になります。

この状況ならどちらの結果になったとしても周囲の人間が痛手を負う事になります。

一年生編9巻から続く、一之瀬をめぐる綾小路と南雲の因縁に終止符を打つ内容になると予想します。

戦略と勝敗は?

南雲に関しては割とわかりやすい。

徹底して一之瀬の心の隙につけ込んで、最後はクラスの勝利を選ばせればいいので。

その際に勝ったら生徒会長に推薦してやるとでも言えば戦略としてほぼ完璧でしょう。

対して綾小路はどういって戦略を取るのか?

ここまで勝敗は一之瀬の心と表現してきましたが、人の心ほど曖昧なものはありません。

そんなものに綾小路が勝敗を委ねるとは考えにくい。

よって言葉を少し変えたいと思います。

勝敗の行方はおそらく一之瀬の思考の理解ではないかと予想。

一之瀬の思考には明確に優先するものがあります。

それは退学者を出さないこと。満場一致試験で神崎が退学者を出す方向に一人投票し続けた際に一之瀬はこのように話しています。

「神崎くんの話も、星乃宮先生の話も、うん。ちゃんと理解できるよ。でもね、今2人が話してたのはそういう状況に置かれた時どうするか、ってことだよね。皆が心を揺らす気持ちも分かる、それは悪いことじゃないと思う。でも、もし私がそんな状況になったとしても、友達を退学にさせて掴み取るAクラスに意味はないって思う。じゃあそのためにどうすればいいのか。そんな状況にならないために、そんな不条理な選択を迫られないでいいように、確実にAクラスを掴み取ることが大切なんじゃないかな」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編5巻

友達を退学にさせて掴み取るAクラスに意味はないと言っています。

ここで言う友達とは普通クラスメイトを指しますが、一之瀬の場合は少々異なります。

これはペーパーシャッフルの時、綾小路が一之瀬に質問した時の会話の内容です。

「Bクラスのクラスメイトは無条件で仲間ってのは理解できた。その考えはオレも堀北も何となく分かる。同じ釜の飯を食った人間と仲良くなるのは必然みたいなものだと思うし。けど、友達って呼べる存在はAクラスやCクラス、Dクラスにだっているだろ?」

「なら、そんなオレたちが困っていたら?おまえに、100万ポイント貸してくれって泣きついてきたら」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ6巻

綾小路のこの質問はクラスメイトだけでなく、他クラスの生徒も同じように助けるのか?という質問。

この質問に対し、一之瀬が出した結論が、

「私が友達だと認めた人は全員、同じ『仲間』のカテゴリにいるんだから」

「なら、私と神崎くんが同じように困っていたらどうするの?」

「ごめん。多分それは答えが無い選択肢だよ。与えられた情報から判断できるのは2人の友達が同じ問題で苦しんでいて、同じように助けを求めてきてることだけ。この場でどちらを取っても、それは真実であって嘘でもあるんじゃないかな」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ6巻

つまり一之瀬にとってクラスメイトだろうと他クラスの友人だろうと優先順位がないのです。

普通ならあるはずのクラスメイトと他クラスの友人の境界線がない。

それどころかこれは明確な敵に対しても同じかもしれません。

学年末試験で龍園の汚い謀略に敗北し、春休みに綾小路と堀北の三人で会話をした時のことです。

「ありがとう堀北さん。だけど、やっぱり訴えないかな。現時点では確実な証拠はないし、それに‥今回のことは強い戒めにしたいの」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ11.5

龍園の工作を学校側に報告しなかったのは自らへの戒めと言っていますが、もしもこれが違うとしたら?

学校側へ知らせれば龍園が退学になる可能性があります。

つまり一之瀬が学校側へ報告するという選択をすることにより龍園は退学することになるのです。

もしもこの選択を選ばなかったのではなく選べなかったとしたら?一之瀬は敵である龍園に対しても自らの手で退学させるという選択ができなかったことになります。

例外は無人島試験で月城の謀略を綾小路に伝えたことです。

ここだけは綾小路を「葬り去る」とクラスメイトの「退学」を天秤に掛けた結果、葬り去るの方がより危険だと判断したのではないでしょうか?言葉だけ聞けば命の危険がありますからね。

これが一之瀬の思考だとすれば、綾小路だろうとクラスメイトだろうと他の誰であろうと、自らの選択で退学者を出すことは絶対にしない。たとえAクラスに上がれなかったとしてもです。

一之瀬の心がどれだけ南雲に傾いていようと同じこと、南雲が同じ土俵に立つには南雲も退学を賭けなければならないと思われます。

つまり勝負は綾小路の退学を条件に含めた時点で既に決まっていた。表向きは一之瀬の綾小路に対する想いを断ち切れるかということですが、真の勝敗の行方はこんな感じになると予想。

綾小路の狙いは?

南雲と対決するに至った経緯は上で考察した通り一之瀬を守るためだと思いますが、綾小路の真の狙いは別なところにあると予想します。

それは今回自分が勝利することによって、一之瀬とクラスメイトの間に亀裂を生じさせること。

綾小路は二年生編7巻で神崎に対して神崎のようにクラスメイトの意識を変える必要があると問いています。

「もちろん、一之瀬を退学にしろと言いたいわけじゃない。ただクラスメイトが変わればクラスは変わる。オレは一之瀬を変えずクラスの意識を変えるべきだと考える。そしてその最初の始まりが神崎であり、姫野だ。」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編7巻

綾小路は一之瀬が持つ正義が騙し騙されのこの学園に置いて他の誰にもない唯一無二の長所であると評しています。一之瀬を変えるということはその武器を捨てるということ。

一之瀬を変えることで救われる、その未来像はまやかしでしかないこと。

もし仮に一之瀬がオレの一言で変わったとして、それは本当に成長と言えるのか。

短所を消すために、唯一無二の長所を消す。

一度そちらに舵を切ってしまえば、後戻りできる保証はどこにもない。

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編7巻

しかし、それが時に足枷になることもまた事実。一之瀬という縛りがあることによって一之瀬クラスの仲間達の成長が見られずに現在Dクラスに沈んでいる状況になっているのです。

一之瀬は気づいています。今のままではAクラスに上がる事など不可能だということに。だから一年生編11.5巻ですがる思いで綾小路に問いかけたのです。

「私は…この先勝てるのかな?」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ11.5

恐怖でその身体を震わせながら。

しかし、自分の事を信頼してくれる仲間達にそんな弱い姿は見せられない。

だから一之瀬は笑う。笑顔で大丈夫だと言います。

そして仲間達はそんな一之瀬に一切の疑問を抱かずに信じる。一之瀬がそう言うのなら大丈夫なのだと。

一之瀬の心が悲鳴を上げている事など知らずに。

神崎を動かしたのは、そんな一之瀬クラスの状況に変革をもたらすため、盲信的に付き従っている仲間達を変える狙いがあります。

そのため、綾小路は南雲を利用して、その結果によりわざと一之瀬と仲間達に亀裂が生じる状況を作り出した

船上でわざと南雲を介入させたことや、体育祭で南雲を相手にしなかったことは、全てこの一之瀬を巡る勝負に誘導し、一之瀬クラスの仲間たちに一之瀬に疑念を抱かせるためだったのではないかと予想します。

これが綾小路の思い描いた真の狙いだと予想。

そして自身が敗北した時は退学するという条件と引き換えに南雲に要求したのは南雲の持つ巨額のプライベートポイント

綾小路が一之瀬クラスに移動するための資金です。

これは二年生編7巻で龍園も同様の事を南雲に提案しているため、これが伏線になっていると思います。

「しかし数千万ですか。クラスからかき集めても足りそうにありませんけどね」

「自分も含めて好きな生徒の退学権利をやると言ってたな」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編7巻

南雲について

南雲についてもちょっとだけふれておきます。

南雲はこれまで一之瀬を手に入れるために影で工作を行ってきました。

9巻では一之瀬から聞き出した一之瀬の「罪」を坂柳に話し間接的に一之瀬を追い詰め、10巻では仲間の退学を避けたい一之瀬に対し、足りないプライベートポイントを補填する変わりに自分との交際を条件に突き付けています。

その戦略をことごとく綾小路に妨害され、二年生編4巻の無人島で綾小路との一悶着をきっかけに綾小路に対する憎悪が生まれました。

このあたりの描写は最終的に一之瀬を巡り綾小路と南雲の対決になる伏線だったのではないかと思います。

綾小路との対決が決まり、その勝敗が一之瀬の心によるものだとしたら、これまでよりも本気で自分に気持ちを向けさせる行動を取るのではないでしょうか?

綾小路を潰し、その過程で一之瀬も手に入れることができますからね。

その際に南雲の過去、なぜ圧倒的な能力を持ちつつBクラススタートだった理由なども語られそうです。

南雲を抜きにすると綾小路と一之瀬の間にあまり波風が立たなそうなことからも、二人の間に立ち塞がる障害として南雲の存在は必要だったと考えられますね。

修学旅行編は南雲と対決の下準備?

予想

2年生編8巻は修学旅行編になりましたね。すぐに南雲とのバトルに突入すると思っていましたが、間に一巻挟まったようです。

公開されている口絵から、修学旅行のメインキャラは櫛田になりそうです。

櫛田と言えば9巻の時に結んだ綾小路のプライベートポイントの半分を毎月櫛田に渡すという契約がある事を思い出しました。
綾小路は櫛田を退学させる予定でしたが、結果的に櫛田は退学にならなかったので、この契約は生きているはず。

この契約がある限り、南雲を倒して2000万プライベートポイントを得ても、櫛田に半分渡さなければならないと言うことになります。

ということは、綾小路は南雲と戦う前にどうしても櫛田との契約をなんとかしなければならなかったのではないでしょうか?

修学旅行編では櫛田と契約を解消するような動きが見られるのではないか?と予想します。

結果

櫛田の独白を予想してましたがまさかの神崎の独白でしたね。これは予想できなかった。

結局、櫛田との契約については解約しないまま8巻が終わりました。満場一致試験で櫛田との契約を櫛田退学の切り札に使用していますが、明確に解約とはなっておらず曖昧なままだと思うのですが‥

それとも南雲から2000万プライベートポイントを得るのがミスリードなのでしょうか?

ピヨたけはクラスのプライベートポイントやクラス移動チケットを使用してのクラス移動には懐疑的です。

クラスの切り札とも言えるプライベートポイントを綾小路の移動のために吐き出させるのは悪手だと思うからです。我々読者は綾小路の実力を知っているため2000万なんて安いものと思いますが、3年生始まりの時点で2000万はポンと出せるものではないでしょう。何より綾小路移動による堀北クラスのヘイトが、移動したクラスのリーダーに向きかねない。綾小路は自分にヘイトを向ける事を望んでいると思いますから。

クラス移動チケットはそもそもタイミングよく入手できるか曖昧すぎる上に、体育祭のような形で入手するのであれば、綾小路がクラス移動チケットを入手した瞬間に周りにバレてしまいます。

よって南雲から勝利の報酬という形で2000万プライベートを入手するのが一番スマートだと考えています。

一之瀬については思っていたよりも危険な状態でした。一之瀬がボロボロになっていくのは予想していましたが、8巻の壊れそうな状態になるのは南雲戦が終わってからだと思っていましたから。

一之瀬の心境で思うところは、

「無い物ねだり。うん、そうだね。私は今‥そんな手に入らないものが欲しい」

「自分を変えてでもか?」

「勝てるなら‥それでもいい」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻

勝てるのならばこれまでの自分を変えてもいい。

少々危険な考えではありますが、この心境からも特別試験に南雲の介入を受け入れることは十分考えられます。

巻の最後にこのような会話があります。

&
「おまえには欲しいものがあるんじゃないのか?」

「‥ダメ。私が欲しかったものは、もう‥」

「手に入らなくなってしまった──か?」

喉の奥、いや心の奥底から溢れる言葉を必死に抑えようとする。

それでも一之瀬は、肯定するつもりはなかったのだろうが僅かにだけ頷いた。

「そんなものはどうにでもなる。とオレはそう思うけどな」

「だって──」

「踏み出す一歩に勇気が持てないのなら手を貸すことも出来る」

引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻

綾小路の「欲しいものがあるんじゃないのか?」は、一之瀬がAクラスで卒業して叶えたい夢とも思えますが、もう手に入らないと答えていることから違うことがわかります。厳しい状況ですが、まだAクラスになれないと決まったわけではありませんからね。

一之瀬が欲しくてもう手に入らないもの、それは綾小路です。綾小路には軽井沢という恋人がいますから。

綾小路の「そんなものはどうにでもなる」という発言は「軽井沢がいてもそんなものはどうにでもなる」と言っているんですね。どうにでもなるを言い換えると「おまえの気持ちを受け入れる」という解釈ができます。

そこで受け入れられた一之瀬が今後どうなるかをちょっと考えてみます。

一つは軽井沢がいるとわかっていながら綾小路から離れられないという状態。

綾小路が網倉と連絡先を交換している事を気にしたこと、手に入らないものが欲しくて悔しいと言ったことから、一之瀬はなかなか嫉妬深いように思えます。

みんなの人気者の一之瀬がいけない恋に溺れていく姿はまさに綾小路への依存。

ピヨたけの2年生編7巻時点での予想ですと、一之瀬が2年生編8巻のような状態になるのは南雲戦の後だと思っていました。

勝負に利用され、クラスの勝利よりも綾小路を選んでしまった。けど綾小路には軽井沢がいるから自分の想いは届かない。みたいな感じで2年生編8巻の一之瀬のような状態になり、冬休み突入を予想してたんですが。

この状態になると今回予想したような南雲戦はなさそうです。一之瀬が依存しまくってる綾小路を選ばないことなど心理的にも描写的にもありえないですからね。例えクラスが負けてでも。

もう一つは綾小路は受け入れると言ってくれたが、それでも軽井沢に申し訳ないという気持ちから、自分の気持ちに嘘をつき何とかして綾小路を諦めようとする展開です。

これまでと決定的に違うのは綾小路が一之瀬を受け入れているかどうか。恋人がいるにも関わらず、綾小路にそう言わせてしまった自己嫌悪から、一之瀬の性格上もう一度距離を取る事は考えられます。

描写的にも綾小路を避けようとするはずなので、一応今回の南雲戦の考察が成り立ちます。

受け入れられてるかそうでないかは心情的にかなり違います。ボールを持っているのは一之瀬になりますからね。この状態なら今の一之瀬でも後一戦くらいなら耐えられると思います。

ここまで来ると南雲に気持ちが向くことは無さそうです。

南雲戦の内容はクラスの勝利か、もしくは綾小路かを選ぶ選択になると予想します。

2編生編11巻後の感想

ネタバレを含むので注意してください

2年生編11巻で南雲との因縁に決着がつくことになりました。

その中身は南雲の望んだガチの対決とは言えない非常にマイルドなものになりましたが、己を見つめ直した南雲の去り際の美しさというものが表現されていて良かったと思います。

さて当記事の考察は2年生編7巻まで、特に生徒会室での綾小路と南雲の会話の流れから考えたものなので、2年生編8巻の時点ですでにこのような展開にならないという事はわかっていました。

結果を見て思うのが、2年生編7巻の綾小路と南雲の会話をあのような形で描写するのであれば、どのような意図だったのか?描写に対する解答が欲しいということ。

あの描写を伏線と捉えるなら、回収せず結果的に全く違う展開になりました!は全然OKだと思うのですよ?巻を重ねるごとに状況は刻一刻と変化していくものと思っていますから。

ただ、綾小路の心理描写でも何でもいいので「オレはあの時このような提案をした」みたいな、あの時あの時点では伏線であったはずの描写に対する解答は切に知りたい。

あともう一点。2年生編4.5巻の一之瀬の告白に対する回答のシーン。あそこの綾小路の挙動が何回読んでも不自然。あれは絶対にわざとだと思います。

こちらの方は一之瀬との約束が残っているので、そこで語られる可能性はありますかね。

最後に綾小路のクラス移動の方法に関して。

南雲と2000万ppを賭けて勝負と予想しましたが、2年生編9巻で堀北に南雲の持つ三年生のppを私的な賭けに使用する事は禁止されました。

南雲から2000万ppを得ることはできなくなったかと思いましたが、禁止されたのは三年生のpp。

かつて1年生の間で行われた綾小路を退学させたら2000万ppの特別試験。恐らく月城が用意して南雲に渡したものだと思われますが、月城が去り際に回収していなければ南雲がまだ持っているはず。

その2000万ppを賭けて南雲と勝負!がピヨたけの本命だったのですが。これで綾小路の移動の方法も全くわからなくなりました。

最近本当に移動するのかすら疑い始めてるところです。

以上。2年生編11巻の南雲戦を終えて、考察と照らし合わせた感想でした。

最後に

ピヨたけ的に伏線と思われる事象を繋げつつ考えてみた結果、このような展開になるのではないかと予想してみました。

また、予想に対しての結果と感想もまとめています。

ここまでみてくださってありがとうございました。それではまた。

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