こんにちはピヨたけです。
2年生編の最後となる2年生編12.5巻。幕間の巻になりますが、前作の12巻が学年末試験が終了した段階で終わっていたことから、ものすごーく先が気になっていました。
ということで龍園VS坂柳の結果により退学者は?一之瀬との約束は?そして綾小路は本当に移籍するのか?
これらの回答がいよいよ出るということで、さっそく見ていきたいと思います。
いつものように物語の核心に触れる部分はぼかしながらできるだけネタバレはしないように、最後の感想部分でほんのりとネタバレと感想を書いているので注意してください。
2年生編12.5巻
鬼島登場
本巻の始まりは学年末試験の舞台裏、星乃宮の視点から始まります。
どうも本来行われる予定だった学年末試験のルールが直前に変更になった模様。
その理由は現内閣総理大臣の鬼島が特別試験を見るためにやってきたから。
ついに姿を見せた鬼島総理。
ピヨたけは彼こそが黒幕と考えているのでどんな人物かは気になっていたところ。いよいよ姿を現したな、と言った心境です。
学年末試験の戦後処理
一之瀬クラスに勝利したが前園の退学という犠牲を払った堀北クラス。学年末試験は代表者と参加者で得られる情報量が違うので何故前園が退学になったのか誰もわからない。
そこで綾小路は事情を知らないクラスメイトに前園が退学になった経緯を説明、戸惑いながらも納得するクラスメイトの中、櫛田だけは綾小路の真意に気づく。
「確かに今回の試験で一之瀬が強かったっていうのは間違いないんだろうけど。それでも綾小路くんなら他の手段で精神的に追い詰めることだって出来たはず。違う?」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
自分も綾小路に追い詰められた経験があるからこその思考ですね。
場面は変わり一之瀬クラスでは俯く一之瀬をクラスメイトが慰めるいつもの光景。
もはや挽回不可能とも言える点差がついたのにも関わらず、未だ現実が分かっていない一之瀬クラスの面々にとうとう我慢の限界を超え爆発する星乃宮。
そして一之瀬はこの日を境に体調を崩し、学校に一度も姿を見せないまま春休みに突入する。
学年末試験が終わり、迎えた3月19日の土曜日。
坂柳を呼び出した龍園。
「俺はあの勝負に納得なんてしてねえ」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
負けるはずだった勝者と勝つはずだった敗者の邂逅。
龍園からしてみたらそれはそうだなと思う。理解できない勝利、到底受け入れられるものではない。
困惑する龍園を諭す坂柳がすごく優しかった。歪みあってた二人の最後の挿絵もグッとくる。
学年末試験の戦後処理は生徒だけにあらず。それは綾小路に対して星之宮の不正介入。
綾小路は茶柱、真嶋、坂上をケヤキモールに呼び出し、学年末試験で星之宮に負けて欲しいと頼まれた事を説明。
証拠を得るためにいったん三人と別れ星之宮と合流した綾小路は星之宮から真意を聞きだす。そしてそこに現れる教師陣。
「私に思い止まって欲しかったら、Aクラスの夢を諦めてよ」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
星之宮は茶柱のAクラスを妨害したいがために教師をしている。そしてそのためだったら自分が自爆しても構わない。
何というか星之宮の闇が深すぎる。もはや怨念の域。
憔悴する茶柱に綾小路は春休みが終わるまでに星之宮の問題を解決すると約束。
「おまえは─おまえは一体…」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
綾小路の言葉に困惑する茶柱。それはそうですよね。自分と星之宮の因縁は綾小路には何も関係がない。なのに何故綾小路が解決するのか?それはこの後答えが出ることになります。
軽井沢との別れ
時は流れ3月30日。約束していた映画デートに向かいます。
綾小路はこのデートを最後に軽井沢との別れを切り出しますが、この軽井沢との別れのシーンは、別れようと言った後の綾小路の内面の描写がなくて、実際に綾小路がどう思っていたのかわからない。
綾小路に人を好きになる感情が芽生えたとも取れるし、綾小路がそう信じようとしたがやっぱりダメだったとも受け取れる。
綾小路の思考にリンクするように紡がれる軽井沢の思考。綾小路が今日この日に別れを告げるという事を薄々勘付いていた軽井沢。
軽井沢、綾小路くん。付き合う前の呼び名に戻った二人の関係性。そして綾小路を見送った後、気丈に振る舞っていた軽井沢の泣き崩れるシーンはただただ切なかった。
坂柳との別れ
翌3月31日の11時。いよいよ学校を去る坂柳を見送りに来た綾小路と森下、山村の二人。
坂柳は綾小路と二人で話す事を希望。
そして綾小路に、高育を去った後にもう一度自分と再開すること。
そして橋本がやったこと、やろうとした事に対する裁定を託し、最後の抱擁を交わす二人。
そして坂柳を見送った後、森下と山村に坂柳から助言を託されたとの体で元坂柳クラスの今後について話し始める。
この話は最後のネタバレを含むので最後の感想部分にまとめておきます。
二人と今後について話していた時、綾小路の元に1年生の根岸という女子生徒が現れ、綾小路に手紙を渡す。
手紙の中には電話番号とイニシャルNの文字。
こんな回りくどく綾小路に自分の連絡先を伝えようとし、間もなく高育からいなくなるイニシャルNの人物と言えば一人しかいませんよね?
三者面談の思惑
翌4月1日は三者面談で綾小路父が学校を訪れる日。
ごく普通の父親を演じながら、時間を引き延ばす綾小路父。
綾小路の三者面談の後、高円寺の三者面談が予定されていることから、面談の時間を引き延ばし、高円寺コンツェルンの社長である高円寺父と偶然を装い接触するのが目的だった。
高円寺父に挨拶する綾小路父は面談が終わった後、約束を取り付けようとするが、高円寺父はアポイントがあるためこの申し出を断る。
去り際に高円寺父は綾小路を一瞥し、ただの高校生ではない事を見抜く。
高円寺との会話
高円寺父との接触を果たした綾小路父を見送ると入れ替わるように高円寺が現れる。
最近多い綾小路と高円寺の1on1。
綾小路の考えを全て見透かしている高円寺は、最近の綾小路の行動は目に余ると忠告。
対して綾小路は高円寺の行動理念の唯一の例外とみていいみーちゃんを例えに挑発する。
今回もバッチバチなので一つの見どころです。いよいよ一触即発の雰囲気なのですが、この後、マジで二人の激闘が現実味を帯びてきます。
鬼島と高円寺父
高円寺父のアポイントとは現総理大臣の鬼島でした。この日、高円寺父と会うために鬼島は高育を訪れていたのです。
そこに強引に乗り込んでくる綾小路父。鬼島&高円寺父と綾小路父の邂逅。
綾小路父は敵である鬼島の見定め。そして財政面での後ろ盾である高円寺父を寝返らせる事を画策していました。
挿絵にありましたし、どうやってこの状況に持ち込むのか気になりましたが、思ったよりも綾小路父のパワープレイにビックリ。
会話の流れで話題は綾小路父の息子の綾小路に。綾小路が先の特別試験でクラスを導く勝利をした事。そしてAクラスから下位のクラスに移動しようとしている事を知った高円寺父は綾小路に興味を持ち、坂柳理事長を通して息子の高円寺に言伝を伝える。
「本当の自由を認める条件として、今のクラスでAを維持したままの卒業を命じる。そう伝えてもらえば分かるだろう。これで図らずも、君の息子と私の息子は戦うことになる」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
本当の自由というフレーズが気になりますが、これで高円寺にも戦う理由ができたということになります。
綾小路がクラス移動したらとうとう綾小路と高円寺が激突することに。これは楽しみ。
堀北の変化
ある日堀北にケヤキモールに呼び出された綾小路。
堀北はAクラスの昇格祝いを開こうと綾小路を誘ってきたのです。
堀北の提案通り昇格祝いを計画する二人、話題は綾小路と軽井沢の話に。
表向きは綾小路が軽井沢に振られたということになっているので、綾小路を気遣う堀北。
その話の中で、
「オレは晴れてフリーになったことだし、恋人候補として名乗りを上げるか?」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
と綾小路の冗談を軽くあしらう堀北。
しかし、綾小路と分かれた後、一人モヤモヤが晴れない堀北。これはひょっとするとひょっとするやつですね。
約束の日の朝
時は遡り3月30日。軽井沢と別れた日の朝。この日は一之瀬との一年前の約束の日。
「今日は午後3時頃まで出かけているが、それ以降で好きな時間にオレの部屋に来て欲しい」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
綾小路は一之瀬にメッセージを送るも連絡はなし。
軽井沢との約束まで時間を潰す綾小路に石崎から話したいことがあると連絡が。
石崎に会うためにケヤキモールに向かう綾小路。そこでバッタリひよりと遭遇する。どうやらひよりも石崎に呼ばれたらしい。
二人に遅れてやってきた石崎。そして石崎は改めて綾小路を自分のクラスに勧誘します。
綾小路が何故そこまでして勧誘するのか尋ねると。
「おまえのことが単純に気に入ってんだよ。この先クラスが違って、しかも接戦の中で戦っていくことになるわけだろ?なら完全に敵同士になるじゃねえか。手を取り合うチャンスは0になる。でも今ならよ、龍園さんがいて綾小路がいて、アルベルトがいて、椎名がい…全員で仲間になれるんだって。で、皆で盛り上がりたいっつーか。俺、おまえが首を縦に振ってくれるなら龍園さんにぶん殴られる覚悟だってあるぜ!」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
なんというか石崎っていいやつだなって思いました。友達だったら一生ものの友人になれそう。
しかし首を縦に触らない綾小路。それでも勧誘を諦めない石崎は。
「ウチのクラスに来てくれたら、椎名と付き合ってくれていいからよ!これならどうよ!」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
い、石崎!?
「だったら何の問題もねーだろ?椎名だって綾小路のこと好きだろ?」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
石崎ぃぃ!?
「なら、軽井沢と別れたら椎名はどうすんだよ」
「え…?」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
石崎無双。そしてひより可愛い。今回一番ホッコリするシーンです。
一之瀬との契約
そしてその夜。一之瀬との約束の日が終わるまで残り1時間半。未だ一之瀬から連絡のない綾小路は一之瀬の部屋に向かう。
ドア越しに一之瀬に声を掛けると一之瀬から鍵が開いているから入るように言われる。
そこには部屋の片隅で膝を抱え顔を伏せている一之瀬の姿が。
そして一年前の介錯の意味がとうとう明かされることになります。
「オレがおまえのクラスに移籍してAクラスで卒業させてやる。ただし、その条件は一之瀬帆波、おまえがこの学校から退学することだ」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
2年生編8巻の学生としての死に場所を決めるのはお前であってお前じゃないというのはこういう風に繋がるわけですね。
突きつけられた選択。絶対の二択。しかし。
オレが本当に見たいのは、そうではない結末。
1%の未知。
それはあまりに高望みしすぎたろうか…
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
しかし一之瀬はその1%の選択を手繰り寄せます。またしても綾小路の想像を超えてくる一之瀬。
綾小路が一之瀬を利用したように、一之瀬もまた綾小路を利用する。
そして二人漆黒の闇に包まれながら契約と共に結ばれていく。
終いの堀北
訪れた祝勝会の日。来年の目標それぞれ口にするクラスメイトたち。
多くの生徒達が少しずつ成長していく中、綾小路の隣に並ぶ堀北は決意表明を綾小路に伝える。
「あと1年。私は、改めてあなたに認めてもらえるクラスメイトになりたい」
自然と湧き上がったことを口にする。
「全部協力してなんて言わないから、ずっと傍で私を見守って欲しいの」
引用:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
熱くなる頬を僅かに意識しながら自分の思いを綾小路に伝える堀北。
この言葉を果たして聞いたのか聞いていないのか?言い終えた時にはすでに綾小路の姿はそこにはなかったのでした。
そして綾小路の移籍が確定する。
感想と考察
ここからはネタバレを含みますので注意してください
で、ついに綾小路の移籍先が決定したわけですが、一之瀬が綾小路に提案した1%の答えというのが今回の結末。
綾小路は坂柳の去り際に、坂柳からの提案という形で森下と山村に今後の戦い方を掲示してます。
それを聞いた森下曰く、大きな課題があるとのことで、その課題とやらがその後の綾小路の説明で納得していることから、綾小路がどんな説明をしたのかの回答はないが、この時森下と山村には綾小路が元坂柳クラスに移籍するという案を伝えていたと思われます。
時系列的にこのやりとりは3月30日の一之瀬との契約の後、一之瀬は自らの意思で1%の結末を提案するに至ったので、綾小路はこのタイミングで森下に移籍の旨を伝えたってことなのでしょうね。
ここからは気になった点や印象。
やーでも本当に坂柳退学しちゃいましたねー。これまでの展開を考えると、致し方なかった気がしますがやっぱり残念です。でも、まだ何か役割がありそうな感じだったので再登場に期待。
一之瀬についてはそういう決断をしたかーという感想。綾小路を理解した上で身を引いた軽井沢と、理解した上でなお自分を刻み込もうとした一之瀬の対比がすごい。今改めて過去の巻を読み返してみるとまさかあの一之瀬がこんなになるなんて想像できないです。
ただ、綾小路が来ると確信して鍵を開けておくなど、綾小路の予想を超えてくる可能性があるだけに今後が未知数な感じ。未だ闇ののオーラを纏っている感じがするのでそれもどうなるか。
後は堀北なんですが、気がついちゃったらもうそこに君はいなかったパターンになってしまうのでしょうか?だとしたら切ない。
一之瀬が今後のクラスの方針を決めるのに春休みまで待ってくれと言ったこと、そして春休みが明けたその日に綾小路が元坂柳クラスに移籍したことを考えると、綾小路がクラス移動することによって一之瀬クラスに何らかの恩恵がもたらされることは間違いなさそう。星野宮がウッキウキでしたから。
協力関係、言うなれば同盟か。もしくはそんな単純なものではなくもっと深い何かか?
気になるのは坂柳との別れの後に綾小路と森下が会話した時、あの時綾小路は自分が元坂柳クラスに移籍すると伝えたと思いますが、それは最後の話。
その前の坂柳からの助言と伝えたクラスの戦い方。これが何だったのか気になります。森下はその戦い方を聞いて懸念材料は少なくないと言ってる。
で、その懸念をクリア出来たと仮定してそれでも大きな課題があると言っているわけです。
この課題の部分は話の流れ的に綾小路が移籍することで解決するとして、その前の前提となる戦い方と懸念材料、これが何なのかなって。
規模は年間を通じて大きなもの。で、勝てる確率が10%から25%に上がり、潜在的な期待値を入れればもう少し上がるもの…。
ということでこの部分を一之瀬との契約とあわせて考えてみました。考察についてはこちら↓↓↓
あーそうだ。忘れてはいけないのが高円寺。綾小路も移籍して同じクラスではなくなりましたし、何より高円寺にとって綾小路を倒すことは本当の自由に繋がるわけですから、いよいよ高円寺とのバトルが見られるかもしれません。
2年生編が終わり、いよいよ最終年の3年生編。次巻の発売は3月頃とのことなので楽しみに待ちたいと思います。
ここまでみてくださってありがとうございました。それではまた。
コメント