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『帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline』1巻の感想・評価|沖田総司の可愛さと人斬りの凄み【レビュー】

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こんにちはピヨたけです。

ピヨたけは、一番最初のPC版『Fate/stay night』からFateが好きで、『Fate/Zero』も原作小説を読みました。

時代の違う英雄たちが召喚され、聖杯を賭けて戦う。当時のピヨたけには、この発想がとても斬新だったんですよね。少しずつ真名が明らかになって、「この名前知ってる!」と興奮したことを覚えています。

ただ、FGOは未プレイ。サービス開始当初から気にはなっていたのですが、課金が大変そうだという評判も耳にして、結局手を出さなかったんですよね。そのため、最近のFateのキャラクターにはあまり詳しくありません。

そんな中、ふと知ったのが「桜セイバー」こと沖田総司。彼女がセイバーとして召喚される漫画があると知り、手に取ったのが本作でした。

可愛い桜セイバーが見たくて読み始めたはずが、そこで待っていたのは冷徹な人斬り。さらに、天才剣士の才能を阻む「病弱」という重い宿命まで背負っている。それを知るほど、ふとした可愛らしさが余計に刺さるんですよ。

ということで今回は、『帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline』第1巻の作品紹介と感想です。導入や人物の魅力には触れますが、終盤の具体的な展開や第2巻以降のネタバレは控えて紹介します。

『帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline』とは?

『帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline』は、経験値/TYPE-MOON原作、平野稜二先生による漫画です。『コハエースGO 帝都聖杯奇譚』をリメイクした作品で、戦時下の帝都東京を舞台に聖杯戦争が描かれます。

項目内容
作品名帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline
今回紹介する巻第1巻
漫画平野稜二
原作経験値/TYPE-MOON
出版社・レーベルKADOKAWA/角川コミックス・エース
第1巻発売日2020年6月3日

原案のコハエースはギャグ要素が強いと聞いていたのですが、本作の第1巻を読んで、その雰囲気はほとんど感じませんでした。

戦いの描写は容赦がなく、空気も重い。コミカルな作品から生まれた題材だと聞いて想像するものとは、かなり違う印象です。

世界観と第1巻のあらすじ

舞台は昭和20年、1945年の帝都東京。第二次世界大戦末期の日本です。

主人公の赤城奏丈(あかぎ かなた)は、衰退した魔術師の家系に生まれた少年。祖母の家にあった砂時計のような魔術礼装を起動してしまい、現代から戦時下の帝都へ飛ばされます。

そこで出会うのが、少女・藤宮九十九。奏丈は彼女との出会いを経て、セイバーの召喚、そして大戦の裏で行われている聖杯戦争へと巻き込まれていきます。

Fateにあまり触れたことがない方へ簡単に説明すると、聖杯戦争は、魔術師などのマスターが英霊をサーヴァントとして召喚し、聖杯を巡って争う戦いです。本作では、その戦いが現実の戦争のさなかで起きています。

沖田総司をはじめ、織田信長、坂本龍馬、岡田以蔵など、日本史で知られる人物が英霊として登場するのも特徴。戦国や幕末の動乱を生きた人物たちが、日本の敗戦が迫る時代に召喚されるという組み合わせです。

歴史で知っている名前が、Fateではどんな人物として描かれるのか。初代Fateで英霊の名前にわくわくしたピヨたけにとって、ここも気になるところでした。

沖田総司に惹かれて本作を読んだ理由

もともと沖田総司は、新選組一番隊組長で、優れた剣の腕を持ちながら病に苦しみ、若くして生涯を終えた人物として知っていました。

強いのに、どこか幸が薄い。その印象が昔から残っていたんですよね。

Fate版の沖田について知る中で気になったのも、「病弱」というスキルでした。英霊になっても、天才的な剣の腕と体の弱さが一緒にある。強さだけでは押し切れない危うさに惹かれたんです。

それに、桜を思わせるピンクを基調にした、セイバーらしいビジュアル。これはもう、ピヨたけの好みに刺さりました。

もともと史実の沖田総司を知っていたからこそ、Fateでの姿が一層気になったのかもしれません。天才剣士としての強さも、病弱ゆえの危うさも、どちらも沖田を語るうえで欠かせない部分です。

そんな沖田が聖杯戦争でどのように戦うのか。それを読んでみたかったわけです。

第1巻を読んだ感想・魅力

戦争末期の帝都と、容赦のない戦闘描写

まず強く感じたのが、作品全体に漂う緊張感です。

舞台が第二次世界大戦末期というだけでも重いのに、その裏側で英霊同士の戦いまで行われている。現代から来た奏丈にとっては、周囲の状況も、目の前で起こる戦いも、簡単には受け止められません。

戦闘では血が流れ、人が斬られます。その描き方に容赦がなく、剣を振るうという行為が、人の命を奪うことなのだと感じさせられるんですよね。

派手な戦いとして眺めるだけでは済まない怖さがあり、それが戦争末期の舞台と重なっています。

ピヨたけが触れてきたFateの中でも、かなりダークな部類ではないかと感じました。もちろんシリーズ全部を追っているわけではありませんが、第1巻からこれだけ重苦しい空気が続くとは。

日本史で知っている英霊たちが出てくる楽しさはあります。でも、その舞台は敗戦間近の日本。この組み合わせにも、気軽には受け止められないものがありました。

冷徹な剣士としての沖田総司が怖い

そして、本作で一番印象が変わったのが沖田です。

読む前に知っていた可愛い姿からは想像しにくいほど、戦うときの沖田は冷徹。敵を前にしたときの迷いのなさに、幕末を生きた人斬りとしての凄みを感じます。

強い剣士であることはわかっていても、実際に人を斬る姿を見せられると、受ける印象は違いますね。頼れるセイバーであると同時に、怖い存在でもある。奏丈の側から見ると、なおさらそう感じられます。

とはいえ、可愛い沖田さんが別人のように恐ろしくなった、ということではありません。 敵を容赦なく斬るのも沖田。普段の穏やかな姿も沖田。どちらも同じ人物なんですよね。

天才剣士を縛る「病弱」は、もはや呪いに近い

そしてもう一つ、沖田を語るうえで外せないのが「病弱」です。

FGOで沖田さんを知った方なら、吐血の「コフッ」という、どこか可愛らしいイメージを持っているかもしれません。しかし、Redlineのシリアスな描写を見ていると、とてもそんな軽いものには思えないんですよ。

どれだけ剣の腕が優れていても、どれだけ相手を追い詰めていても、突然の病によって戦況が一変してしまう可能性がある。本人の技量や努力ではどうにもならない、あまりにも理不尽な弱点です。

調べてみると、FGOの沖田総司の絆Lv.5プロフィールでも、生前の病に加え、後世の人々が抱いた「病弱な沖田」というイメージが影響し、「無辜の怪物」に近い呪いを受けていると説明されているんですね。

参考:FGO・沖田総司のプロフィール掲載ページ(GameWith)

つまり「病弱」は、ただの可愛らしいキャラクター付けではありません。生前に苦しめられた病から、英霊になっても逃れられない。天才剣士だからこそ、その才能を理不尽に阻まれることが悲劇的に映るんですよね。

ここで書いている「呪いに近い」はFGO側の設定説明であり、Redline第1巻でこの仕組みがすべて解説されているという意味ではありません。また、後の巻の具体的な戦闘展開には触れずにおきます。

もともと史実の沖田総司の薄幸さに惹かれていたピヨたけとしては、この悲劇性も彼女の魅力の大きな部分なのかもしれません。

初めてのアイスに驚く姿が、やっぱり可愛い

ここまで怖い話をしてきましたが、沖田の可愛らしさもきちんと描かれています。

特に印象に残ったのが、奏丈と一緒にカフェでアイスを食べる場面。初めて口にしたアイスに目を見開いて驚く、その表情が実に可愛いんですよ。

あれほど冷徹に敵を斬る剣士が、初めての食べ物にはこんな顔をするんですから。

もうね。このギャップがたまらない。

ただ可愛いだけだったら、ここまで印象には残らなかったかもしれません。人斬りとしての恐ろしさを知っているからこそ、無邪気な表情がより一層可愛く見える。 そこが本作の沖田総司に惹かれた一番の理由です。

怖い沖田も、可愛い沖田も、どちらかが偽物というわけではない。そこに、病弱という理不尽な弱点まで背負っている。そう考えると、あの無邪気な笑顔がますます愛おしく感じられるんですよね。

奏丈と沖田の間にある、時代の違い

沖田の二面性とあわせて印象に残ったのが、奏丈との価値観の違いです。

奏丈は平和な現代から来た少年。一方の沖田は、人を斬ることが現実にあった幕末を生きた剣士です。

同じ出来事を目の前にしていても、二人が受け止めるものは同じではない。その違いがあるから、沖田の頼もしさにも、ただ安心するだけでは済まない怖さが伴うのだと思います。

第1巻の締めくくりは、そんな二人の隔たりを強く感じさせる場面になっていました。何が起こるかはここでは伏せますが、沖田の穏やかな表情と、それを前にした奏丈の反応が、読後も印象に残っています。

沖田にとって当たり前の「戦場」が、奏丈にとっては当たり前ではない。 同じ戦いをともにするマスターとサーヴァントなのに、その受け止め方はこんなにも違う。

これから二人がどう向き合い、どういう主従関係を築いていくのか。沖田個人の魅力だけでなく、奏丈との関係にも興味が湧く第1巻でした。

総評|沖田総司が気になる人、重い聖杯戦争を読みたい人に

『帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline』第1巻は、桜セイバーの見た目に惹かれて手に取ったピヨたけに、人斬りとしての沖田総司を強く印象づけた一冊でした。

容赦なく敵を斬る恐ろしさ、ふと見せる無邪気な可愛らしさ、そして天才剣士なのに病弱という呪縛から逃れられない悲劇性。読み始める前から気になっていた沖田総司ですが、知れば知るほど惹かれてしまいます。

ピヨたけのように初代『Fate/stay night』や『Fate/Zero』には親しんでいても、FGOまでは追えていない方。沖田総司に興味がある方や、日本史で知られる人物たちの聖杯戦争を読んでみたい方には、手に取るきっかけになる作品だと思います。少なくともピヨたけ自身は、FGOを遊んでいない立場でも、第1巻の沖田の魅力を楽しめました。

ただ、人が斬られる描写や血の表現はかなり容赦がありません。戦争末期の重苦しい空気もあるので、可愛いキャラクター同士の気軽なやり取りを求めると、想像していた作品とは違うかもしれません。

その重さも含めて、シリアスな聖杯戦争を読みたい方にはおすすめしたいです。

第1巻でこれだけ印象に残った沖田と奏丈が、これからどう聖杯戦争に向き合っていくのか。次の巻も楽しみです。

ここまでみてくださってありがとうございました。それではまた。

趣味はブログ執筆。ゲーム、書籍などを中心に活動中。X始めました。

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